「眩暈SIREN」とは。バンドサウンドでの表現の限界を超える”圧倒的な世界観”を持つバンドに迫る

「眩暈SIREN」とは。バンドサウンドでの表現の限界を超える”圧倒的な世界観”を持つバンドに迫る

ロックバンドリスナーの皆さん、「眩暈SIREN(めまいさいれん)」をご存知でしょうか。

2015年、彼らの楽曲を最初に聴いたときは、思わず「これはとんでもないバンドを見つけてしまった」と震えました。今までにない感覚に襲われたんです。

とにかく叙情的で、バンドサウンドで表現できる世界観の限界を突破している、とでも言えばいいのでしょうか。一度聴いたら引き込まれてしまうこと間違いなしの楽曲の数々をリリースしています。

しかしwikipediaにも眩暈SIRENのページは存在していないこともあり、未知のバンドとなっています。当記事では、そんな眩暈SIRENについて迫っていきたいと思います。

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眩暈SIREN とは

眩暈SIREN(めまいさいれん)』は福岡発の5人組ロックバンドです。

所属する音楽事務所「gil soundworks」には、「SiM」「coldrain」「The Winking Owl」とラウド系の主軸とも言えるバンドが在籍しています。

ジャンルは一概に言えないのですが、中性的な声質のボーカルは静かな表現ながらも、メロディーラインの荒さ・バックサウンドの轟音が絶妙に重なり、独特の世界観を作り出しています。

またCDジャケットや公式PVでは、メンバー全員の顔をハッキリ映さないなどして、バンド全体でもミステリアスな印象を感じさせます。

そんな眩暈SIRENですが、2015年に発売された1stアルバム「或る昨日を待つ」が全国でヒットし、知る人ぞ知るバンドに。筆者もタワーレコードで視聴してこの名盤を手にすることとなります。

その後も精力的な活動を続け、今年3月21日にはNew EP「深層から」をリリース。3月31日から行われていた「”深層から” TOUR 2018」は、5月6日の大阪2nd LINE公演にて幕を閉じます。

とにかくミステリアスな存在

「眩暈SIREN(めまいさいれん)」は、以下5名のメンバーで構成されています。

  • Vo. 京寺
  • Gt. オオサワ レイ
  • Ba. 森田 康介
  • Piano&Vo. ウエノルカ
  • Dr. NARA

しかしハッキリと顔が映ったアーティスト写真は見当たらず、そのルックスは謎に包まれたまま。アーティストとして、ロックバンドとして、楽曲だけで評価してほしいという真っ当なメッセージなのでしょうか?

そんな未知な存在であるメンバーの中でも特に気になるのが、ボーカル 京寺 の存在です。

京寺の性別について

眩暈SIRENというバンドやそのメンバーが多くの謎を秘めるあまり、実はフロントマンである京寺の性別すらも不明という状況なんです。おそらく女性だと思われますが、公式からの発表はともかく、顔がハッキリと映った写真すら公開されていませんからね。

参考程度に、筆者が大好きなバンドの1つである「YOUR LAST DIARY」でボーカルを務めるYuka Sakaguchiのツイッターにて、京寺の写真を発見しました。

京寺はキャラクター(?)も独特

また京寺はそのキャラクターも独特なんです。以下で紹介するのが激ロックのインタビュー内での発言ですが、それが常人には理解しがたい内容だったのです。

Q. 地元 福岡の音楽シーンでは、眩暈SIRENは珍しい存在なのではないかと思うのですが、地元のシーンについてはどんな印象を持っていますか? また、地元とそれ以外の土地でのライヴに雰囲気の違いは感じますか?

A. 京寺「福岡のシーンは、どこの馬の骨ともわからないような我々を女手ひとつで育て上げてくれた母親のような存在にございます。今でこそ我々は、ダイオウグソクムシやミヤマクワガタなどを食して命を繋いでおりますが、かつては山に住み、そこを通る商人どもの荷馬車を襲っては金品や食料を奪うことを生業とした薄汚い野盗の一味でした。みなさんご存じのとおり、福岡の名の由来は”不変の苦しみと汚れ、そして火事がよく起こる”を略して”不苦汚火(ふくおか)”といい、それが長い年月を経て”福岡”となったという説が有力です。その由来から察するとおり、福岡のバンド・シーンには、討ち取った敵将の頭蓋骨に酒を注ぎ、乾杯するような魔王クラスの人間がごろごろとおります。そんな天外魔境の世界で五体満足のまま、死者のひとりも出すことなくやってこれたのは、ひとえに福岡の民の方々のお力添えあってのものです。他の土地でライヴをする機会もありましたが、そういった未知の地域にも非常に恐ろしい場所や人が多くありまして、果たして自分は、ちゃんと日本に住んでいるのか、自分は普通の、ちゃんとした地球に生きているのか、今までのいろいろな活動は幻なんじゃないのか、最近はそんなことばかり考えております。」

引用:眩暈SIREN – 激ロック インタビュー

インタビュー内では、京寺のこれ以外の発言は見られませんでしたが、この文章のみで強烈なインパクトを与えられたかと思います。これを世界観を作り上げる一環でキャラクターとして演じているのか、はたまた彼女の素の姿であるのか、とても気になります…。

ただ1つ言えるのは、こんな彼女だからこそ、眩暈SIRENの”圧倒的な世界観”を持つ楽曲を作り上げられるのだと確信を持てました。

バンド名は語感のみで決定

深夜のテンションでバンド名を考えているとき”眩暈”という単語が浮かび、それに合う単語を探していたら”SIREN”が浮かんだと言います。

つまり名前自体の由来は無く、語感のみでネーミングしたというワケです。たとえ深夜のテンションだとしても、非常に独特なセンスをしていると思いませんか?

眩暈SIREN おすすめ楽曲

このバンドを聴くうえで、やはり注目してほしいのがVo. 京寺 の声質です。叙情的かつ表情が見えてくるような表現が特徴的なんです。

バックサウンドも優秀で、キーボードを生かしたメロディーラインが綺麗な楽曲から、轟音系のロックサウンドまでこなします。この2要素の融合が、今までに無かった圧倒的な世界観を持つ楽曲の数々を生んでいるのです。

以下からは眩暈SIRENリスナー歴3年の筆者が選ぶ、必ず聴いてほしいおすすめ楽曲を紹介していきます。

ジェンガ

眩暈SIRENならではとも言える、景色が移り変わるような目まぐるしいバックサウンドに、京寺の詩的なメッセージ「本当の望みを諦めがそぎ落とす」「自分と呼べるものは残っているか?」「貴方は貴方だ」。

この楽曲は、聴き手に対して「自分を持ってほしい」というメッセージを一貫しており、それが眩暈SIRENなりの表現で力強く伝わってくる、大好きな1曲です。

morning is come

英詞ですが、ほとんどの方にこの曲の素晴らしさは分かってもらえると思います。それほどまでに綺麗な楽曲に仕上がっています。

紹介するリリックビデオでは日本語訳が入っていますが、心の葛藤がリアルな言葉で歌われていて、とてもグッとくる詞です。

ハルシオン

これまたスローな楽曲ですが、キーボードのメロディーラインが素敵すぎて、何回再生しても聴き入ってしまいます。

明滅する

個人的名盤である眩暈SIRENの1stアルバム『或る昨日を待つ』のリードトラックです。

アンダーコール

こちらは活動初期の楽曲となります。ストーリー調の歌詞に心を打たれます。

最後に

いかがでしたか? 眩暈SIRENはロックバンドの楽曲を聴くうえで必ず注目しておきたいバンドの1つと言えます。決して似通ったアーティストは見当たらず、カテゴライズ不可能な独自のジャンルを築いています。

楽曲のリリースだけでなく、数々のロックフェスにも出演するなど、精力的な活動を続けているので、是非チェックしてみてはいかがでしょうか。

眩暈SIREN 公式サイト:http://memaisiren.com/
眩暈SIREN 公式Twitter:https://twitter.com/memai_fukuoka

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